愚痴の多い夫との生活

仕事やプライベートで気に入らないことがあったときには、ついつい愚痴の一つや二つ言いたくなるものである。愚痴を誰かに聞いてもらってスッキリした経験のある人は多いだろう。

しかし、もし、毎日顔を合わせる相手がいつも愚痴ばかり言っている場合はどうだろう。聞かされる側は心穏やかではいられないのではないだろうか。

VnExpress（2024年1月14日付）の読者相談コーナーに、「夢ばかり思い描き、毎日愚痴をこぼす夫との生活に疲れ果てた」という女性からの相談が寄せられた。
夫から来る日も来る日も愚痴を聞かされ、いよいよメンタルに異常をきたしそうだという女性に対し、読者はどのようなアドバイスを送るのかを見てみよう。

記事の概要

相談者（33）

夫は真面目に会社勤めをしており、倹しく暮らすには十分な収入もあります。
ただ、会社のあらゆることを一手に引き受けており、帰宅後は何もする気力・体力が残っていないようです。家事は全て私が引き受けています。

求職中の身であるが、生活費は独身時代の貯金を切り崩して夫と折半しているという相談者。
節約を心掛け、夫が生活費として毎月渡してくれる1,000万ドンのうち、700万ドンは貯金している。ちなみに、夫には「あなたの稼いだお金なのだから、貯金はあなたの好きなように使ってね」と言っている。


しかし、相談者は夫との生活に段々と息苦しさを覚えるようになった。
その主な原因は、夫の愚痴の多さである。

夫は知人が立ち上げた会社に勤務しており、人事や会計をはじめ、あらゆる仕事を一手に引き受けている。
週6日勤務し、残業続きの日々であるが、そこへ持ってきて、業務に必要な資格を取るために終業後、学校へ通うように社長から言われ、ストレスMAXになっている。
そんなわけで、上司や同僚への不満、会社であった嫌な出来事を毎日のように妻（相談者）に語って聞かせているのである。

相談者（33）

そんなに辛いなら転職したら良いじゃない。上司を変えることは出来ないんだから。
それで収入が下がるなら、今の家（※相談者の両親からのプレゼント）を売って、もっと安いアパートに引っ越しましょう。

夫から愚痴を聞かされるたびに多大なストレスを感じつつも、喧嘩になるのが嫌で、何とか我慢して付き合っている。
時にはアドバイスをしたり、気分転換のために運動しようと誘ったりするものの、何ら解決には至らず、夫は結局またいつもの愚痴三昧である。


さらにもう一つ相談者を悩ませているのは、夫の子どもっぽさである。
相談者によると、夫はとにかく夢見がちなのだと言う。

相談者（33）

夢物語も、たまに聞くぶんには楽しいんですよ。たまになら、ね。でも、結婚前からずっとそんなことばっかり言ってるんです。
このままでは、いずれ夫が仕事をしなくなったり、現実を知って絶望したりする日が来るのではないかと心配です。

さらに夫は、「俺はどうせ凡人だよ。甲斐性もない。ただの役立たずのオッサンだ」と突然不貞腐れたかと思えば、相談者のことを馬鹿にしてくることもある。

そんな時でも相談者は、「あなたはあなたのペースで、ゆっくりやっていけばいいじゃない。ちゃんと生活出来ているんだから、十分じゃないの」と言葉を尽くして夫を励ましている。
しかし、翌日には、また愚痴が始まるのである。
相談者は、自身を「まるで夫の愚痴と欲求不満を限界まで吸い込んだスポンジみたい」だと言う。


過去にメンタルを病んだ経験から、現在は毎日積極的に運動し、心身の健康を保つように努めているものの、夫から愚痴を聞かされるたびに自分の気分まで沈んでしまい、そろそろ限界だという相談者。夫との生活を維持するべきか、それとも離婚したほうがいいのか悩んでいる。

相談者（33）

夫のことは好きです。でも、愚痴の無限ループには耐えられません。
以前は私も夫に愚痴をよく聞いてもらっていました。でも、30代になってからは考えを改めました。
物事は全て自分が選んだことの結果なんです。どんな悪いことでも、自分が選んだことなら黙ってそれを受け入れなければいけません。自分の不幸を誰かのせいにしたり、たとえ身内であっても第三者に何かを過度に期待したりするのは良くないと、私は思います。

読者コメント欄

出典

VnExpress（2024年1月14日付）Suy giảm tinh thần khi chồng không ngừng than vãn, mơ mộng

ベトナム語表現

管理人のコメント

愚痴って、言ってる側はスッキリしますが、聞かされる側にとっては本当にストレスになりますよね。ゴミを一方的に押し付けられるようなものです。
また、聞かされる側がどれぐらい苦痛に感じるかは、相手との関係性や個々人の性格（繊細さ）によって千差万別だと思います。


今回の相談に関しては、何人かの読者が言っているとおり、答えは既に出ているような気がします。
トピ主が最後に言った、「物事は全て自分が選んだことの結果なんです。どんな悪いことでも、自分が選んだことなら黙ってそれを受け入れなければいけません。自分の不幸を誰かのせいにしたり、たとえ身内であっても第三者に何かを過度に期待したりするのは良くない」という言葉が全てだと思います。

人生のあらゆる不幸（※自然災害や一部の事故・病気を除く）や過ちの根本的な原因って、結局のところ、他人に対する過度の期待から生まれているんじゃないかと私は思います。
「もっとああして欲しかった、こうして欲しかった」、「それぐらいのことは許してくれるだろうと思っていた」、「相手は分かっているだろうと思っていた」などという、自分の勝手な期待に他人はなかなか応えてはくれません。他人に対する期待が大きいほど、それが叶わなかったときの失望も大きいです。その積み重ねが最終的には大きな不幸を招くのではないでしょうか。

今回のトピ主は達観していますね。ちょっと立派過ぎると言うか、しっかりし過ぎている気もします。そんなトピ主だから、旦那はますます子どもっぽく振舞い、好きなだけ愚痴をこぼすのかもしれませんね。

ただ、何となくですけど、トピ主みたいな人って、一旦「もう嫌だ！耐えられない」と完全にプッツンしてしまうと、取り付く島もないタイプのような気がします。
そうなってしまう前に、旦那が思い切って転職するか、ストレス発散方法を見付けて、トピ主に愚痴を聞かせないようにしてくれると良いのですが…。